「割ったたまご、ひいた出汁などを合わせて、容器に入れます。これを蒸してできあがりです」
―どのように蒸しているのでしょうか?
「この工場では1次蒸し、2次蒸しと2回にわけて蒸します」
―なぜ2回に分けて蒸すのでしょうか?
「理由はふたつあります。茶わん蒸しには、しいたけや海老、三つ葉などの具材を入れるのですが、具材がすこし見えていたほうがきれいですよね。1次蒸しで表面を固めてから具材をトッピングし、2次蒸しで仕上げます」
―なるほど、彩りをよくするためなのですね。
「そうです。もうひとつの理由が、高温にしすぎないためです。100℃以上の高温にして短時間で蒸し上げることもできるのですが、そうするとたまごや出汁の風味が飛んでしまうんです。風味を損なわないために、手作りに近い100℃以下の温度でゆっくり、ふんわりと蒸し上げています」
―せっかくこだわって作っているのに、風味が飛んでしまったらそれはもったいないですね。
手作りの味わいのために、時間や手間が惜しまずにかけられているのがわかりました!