菜の花の辛子和え

房総農業会社 農場長 野口学さん

春の食材を代表する菜の花。千葉県の南房総で育てられた菜の花は、穂先の苦味と茎が柔らかく優しい甘みが特徴。「顔が見えるキッチン。」では、そんな菜の花を使って辛子和えを作りました。今回は、千葉県で菜の花をていねいに育てている野口さんにお話を伺います。

話を聞いた人

房総農業会社 農場長 野口学さん

菜の花の名産地千葉

―千葉県は菜の花が有名ですよね。

「そうですね。菜の花の畑がある南房総は、温暖な気候のおかげで冬でも霜がつきにくく、菜の花の栽培に適しているんですよ。早いものだと8月末ごろから種を植えて、11月ごろから3月にかけて収穫をします」

―11月に収穫が始まるのですか?てっきり春かと思っていました。

「菜の花は、つぼみが開く前に収穫します。収穫した箇所の脇芽が順々に育ち、つぼみを付けて花を咲かせるのですが、その若い部分を切り取ったものが菜の花です。花が咲いてしまうと、茎が固くなり、味も苦くなってしまうので、つぼみが開くギリギリのタイミングを狙って収穫します」

つぼみをつける前の菜の花

―手作業で収穫するのですか?

「はい。ひと株ごとに収穫のタイミングが違うので、ひとつひとつ確認しながら咲く前のお花を摘んでいきます。この見極めが結構難しくて」

―ひとつひとつ手で作業するのは、かなり骨が折れそうですね。

「そうですね、機械でできる作業ではないと思います。おいしく食べられる菜の花を見極めるのは、人の目じゃないとわかりませんから」

―農家のみなさんが、ていねいに作業をしているからおいしい菜の花が食べられるのですね。

顔キッチン化とこれからの菜の花畑

自然に囲まれた春の菜の花畑。

「僕は、この地域でも若手のほうなのですが、収穫の時期にアルバイトとして働いてもらう人や他の農家は地元の高齢の方が多いです。農家同士で地域ごとに部会があって、集まったりもしますよ」

―地域ぐるみで菜の花を育てているのですね。部会ではどのようなことをするのですか?

「栽培の情報共有や、その年の反省会などをします。単純に集まってなにかをするのも楽しいですけどね。菜の花の仕事があるから、気が晴れるって言ってくれる人もいて、ありがたい話だと思いますね」

―今回、野口さんたちが育てた菜の花は、「顔が見えるキッチン。」というブランドとなって販売されます。皆さんの反応はどうでしょうか?

「はい。農家のみんなにとっても嬉しいと思うし、気を張ってやっていかないとな、と思います。それにこれからはもっと耕作面積を増やして菜の花をたくさん育てたいですね。ここは田舎なので、あまり働くところも多くありません。得にお年寄りはそうです。菜の花を育てて売ることで、この土地に仕事を作って、お年寄りでも働きやすい環境を作れればいいなと思います」

―菜の花を育てること、そしてそれを惣菜にして売っていくことで南房総の方々にも喜んでもらえたら嬉しいですね。これでインタビューは終了します。ありがとうございました!

菜の花の辛子和え。辛子のつんとした辛みが爽やか。

最後に

日本の農家の数は年々、減少しています。ここ、南房総の菜の花農家も同じだと伺いました。そんな中でも、菜の花を育てることで雇用を生み出そうとしている野口さん。イトーヨーカドーでは、そんなみなさんがていねいに育てた菜の花で、お惣菜を作っています。南房総の春の味、菜の花をぜひお試しください。

満開の菜の花畑。収穫が終わった菜の花は観賞用に残される畑もあるそう。

商品名:菜の花の辛子和え
主品目名:菜花
産地:千葉県 南房総