北海道産金時豆 第1話
顔が見えるキッチン。のふっくら炊き上げた「ふっくらやわらか 金時豆」。優しい甘みのなかに、豆のふくよかな香りを感じる金時豆は、どこか懐かしい味わいです。製造をしている株式会社ヤマザキでは、家庭の味を目指したお惣菜作りをしているのだとか。ほっとするおいしさの秘訣を、開発担当の高橋さんに伺いました。
話を聞いた人
株式会社ヤマザキ 開発部 高橋さん
慣れないインタビューで少し緊張されていましたが、ていねいにお話してくれました。
産地と連携して質の良い金時豆を調達
「金時豆の煮物は、素材がとても重要で、豆の種類やその年の育ち方によっても味が変わります。ヤマザキで使っている金時豆は、農家さんが収穫した房つきの豆を、加工業者が鞘から取り出して、乾燥させたものです。産地の農家さんにも、加工業者にも年に1回は、素材の状況確認のために訪問をしています。密に連絡を取り合うことで、日々より良い状態の金時豆を仕入れられるようにしています」
すべての豆をムラなく炊くために
―金時豆の煮物はどのように作られるのですか?
「まずは豆の選別から行います。一つ一つ手作業で、直接目で見ながら豆の状態を確認します。金時豆を煮る際に、小さすぎる豆や、割れてしまっている豆が混ざると、出来上がったときにムラが出来てしまいます。なので、それを避けるためにこの工程は欠かせません」
「選別が終わった豆は、そのままの状態では固くて煮ることができないので、一晩しっかりと水に漬けてふっくらとした状態になるまで戻します。季節や豆の状態にもよりますが、ゆっくりと時間をかけて戻すことが大切です。ここで全体をムラなく戻せないと、やはり仕上がりが均一では無くなってしまうんです」
―煮始めるまでに既に1日以上の時間がかかっています。手間をかけて作られているのですね。
えぐみを減らして豆の香りを引き出す
「水戻しした豆は、沸騰する位の温度で雑味を抜きながらコトコトと茹で、その後水にさらします。豆には“サポニン”という成分があるのですが、これが多く残ってしまうとどうしても豆独特のえぐみが残ってしまうんです。しっかりと水にさらすことで、このえぐみを少なくすることができます」
「一般的な工場では圧力をかけた大きな釜で大量に作るのですが、それだと柔らかく煮る事はできても、雑味が残ったり、豆の甘味や風味が引き出せないんです。ヤマザキでは解放釜という蓋をしない釜で調理をしています。この釜だと茹でながらアクを取り除いたり、豆の状態を目で見ることができます。また、金時豆の中に含まれる水分を適度に飛ばすこともできるのです」
―金時豆の水分を飛ばすのはどうしてですか?
「水分を飛ばすと、豆の中に空気が少し含まれ、ふっくらとした食感になるんです。それに加えて、その空気の中に豆の風味も閉じ込められるので、食べた時にふわっと豆本来の香りを感じることができます。煮上がった金時豆は、カゴに細い針を刺して、出来上がりを確認します。季節や素材の豆によっても仕上がりが変わってくるので、重要な確認ですね」
シンプルな調味で金時豆のおいしさを引き立てる
-金時豆はどのように味付けされているのでしょうか?
「豆本来の味わいを活かすように、極力シンプルに、塩、砂糖、そして少量の醤油で煮ています。その後煮汁に浸しながら冷まします。しっかりと表面に味を染み込ませつつ、豆の内部には味を染み込み過ぎないようにして、豆の甘さや香りが残るようにしています。最後につや出しとしてタレをかけるのですが、そこにはたまり醤油を配合していて、風味とコクも出るようにしています」
「お惣菜として売られる金時豆は、一部が少し崩れかけているくらいが豆の味が一番わかっておいしいと思うんです。ヤマザキの金時豆では煮崩れ過ぎない絶妙な仕上がりを目指して作っています」
―作業の工程数からも、手間暇かけて大切に作られていることがよくわかりました。最後に高橋さんからお客様へメッセージをお願いします。
「この金時豆は家庭の味を目指して、日々よりおいしくなるように作っています。豆の煮物はどちらかというとご高齢の方が食べるイメージかもしれませんが、若い人にもおいしく食べてもらえる味になっていると思います。なので、ぜひ色々な人に手に取って食べてもらいたいと思っています」
商品名:ふっくらやわらか金時豆
加工場名称:株式会社ヤマザキ 吉田大幡工場
加工場住所:静岡県榛原郡吉田町大幡1643-1
主品目名:金時豆