おはぎのおいしさの要である「あんこ」。そしてその原料の「小豆」。イトーヨーカドーの「顔が見えるキッチン。」のおはぎに使われているあんこは、北海道の十勝で育てられた小豆を使用して作られています。今回はそんな小豆を育てる上嶋さんにお話をお聞きしました。

あんこにぴったりの小豆 エリモショウズ

「育てているのは“エリモショウズ”という品種。昔ながらの品種で、北海道では元々一番よく育てられていたんだけど、最近は減ってきているようです。エリモショウズは良いあんこの原料になると、あんこを作っているメーカーの人たちからは聞いていますね」

小豆の生産者 上嶋 尚さん

どんな作物もそうですが、特に小豆は同じ畑で育て続けると病気にかかりやすくなってしまいます。

上嶋さんの畑ではどんな工夫がされているのでしょうか。

「私たちの畑では、色々な作物を順番に作るようにして、ローテーションをしながら栽培するんですよ。他の品種の小豆だと大体4年くらい間を開けて育てればちゃんと小豆ができるのだけど、私の畑では8年間隔で育てています。エリモショウズが育つのには、栄養が多く必要なんです。逆に言うとそれだけ多くの栄養を蓄えて育つからおいしいのかな、とか私は思ったりしますね。あくまで個人の想像ですがね(笑)」

あんこになる前の小豆(画像はイメージです)

鹿追町の畜産業と支え合って生まれる土

「小豆や他の作物を育てる上で、やっぱり土の持っている栄養は大切なんです。この鹿追町(しかおいちょう)の土は、自然の栄養がけっこう多くあるんですよ」 

何故そんな豊かな栄養が土にあるのでしょうか。

「鹿追町は、動物を育てている酪農・畜産農家さんと我々のように農作物を育てている畑作農家が連携をして、お互いに支えあっているんです。うちの場合は、お隣さんが養豚をされてるので、そこにいる豚さんが出してくれるものを、自然な肥料として畑で使わせてもらっています。また、うちでは小麦も育てているんですが、実を取った後の茎の部分を酪農家さんに提供して、牛のベッドにしてもらってるんです。その茎を回収して肥料にすると、それも牛由来のいい自然な肥料になるんですよ」

家族で協力しておいしい小豆を育てる

小豆を栽培する上で、畑に生えてくる雑草との戦いも大変な作業の1つです。

「小豆ってうちでは5月後半ごろに毎年種を播くんだけど、そこから葉っぱが大きく育つまでに大体2カ月くらいかかるんです。その間は、本当に草抜きが大変で、そこに手間がかかる。この地域では結構多いんだけど、草抜きは奥さんがやる場合が多くてうちもそうなんです。なので、その草抜きの時期は静かーに波風立てないようにおとなしく生活をしています(笑)」

ご家族で一緒に協力しながら、大切に育てられている小豆。おいしいあんこの裏側には生産者さんの日々の努力がありました。

最後に

こだわりの小豆で作られたあんこ

上嶋さんが手間ひまかけて育てる小豆。どんな想いで、日々、小豆を育てているのでしょうか。

「実は、私あんこが大好きなんです。毎食お茶碗一杯分のあんこを食べるくらいに(笑)。大変な事もあるけれども、小豆を作り続けているのは、自分もおいしいあんこが食べたくて、自分用の小豆を育てているって言っても良いかもしれないですね。この小豆で作ったあんこを、ぜひお客さんにも楽しんでもらいたいです」

小豆栽培のプロも虜になるおいしい小豆。そんな小豆を使用して作られたあんこを使用したおはぎが、今回顔が見えるキッチン。の商品として販売されます。是非皆様も味わってみてください!

商品名:ゆるおはぎ
加工場名称:株式会社せんにち 吉川工場
加工場住所:埼玉県吉川市栄町87-1
主品目名:小豆
産地名:北海道