行場さんに勧めてもらい、採れたてのかきを頂くことができました。同乗していた漁師さんが手早くかきの殻を開けると、中からは乳白色のかきがつるんと顔を出します。
ぱくり!ひと口でそれをほおばると、味わったことのない強い塩分を感じ、目を見張りました。
「しょっぱいでしょう?」漁師さんにそう言われて大きくうなずくと、その理由を説明してくれました。
通常、かきは水揚げしてから一晩置いたころが食べごろだそうです。かきは、海水の栄養分を摂るために1日に200ℓ以上水を吸い込んで吐いています。なので、水揚げしたばかりだと海水をたっぷりと含んでいて、それが強い塩分を感じる原因になるのです。
まさに、採れたてのかきは“海の味”そのもの。
それと同時に、かきの生きる力の強さを感じる味でした。