かぼちゃ煮 第1話

株式会社ヤマザキのみなさんにお話を伺ってきました!こちらでは「顔が見えるキッチン。」のかぼちゃ煮を製造しています。今回取材を受けて頂いたのは、かぼちゃ煮の調理を担当する杉山さん。日々、おいしいかぼちゃ煮の作り方を追求しています。

かぼちゃ煮の作り方

―かぼちゃ煮の作り方を教えてください。

「ヤマザキで作るかぼちゃ煮は、家庭のほっとするような味を目指しています。ですので、家庭で作るのと同じように、だしを取るところから始めます」

地元のだしメーカーが作る、かぼちゃ煮専用のだしパック。 めじまぐろ節とさば節をブレンドし、かぼちゃの味を引き立てつつ厚みのある味に仕上げる。

「だしをじっくりと煮だして、しょうゆやみりんを加えて調味液を作ります。できた段階だとまだ温度が高く、味が安定しないので一晩おいてから使用します」

調味料が沸騰する釜。この時点でだしのよい香りが調理場に広がる。

「寝かせた調味液を釜に移して煮立てたら、カットしたかぼちゃを入れます。私達の工場では、カットした生のかぼちゃを使っています」

かぼちゃを混ぜる杉山さん。同時に6~8つの釜でかぼちゃ煮を調理するため、てきぱきと作業を行っていく。

―たくさんある釜を一人で使って調理するのですね。大変そうですが、どうしてこんなにたくさんの釜を使うのですか?

「今使っている釜は、工場としては小さなほうなんです。一度に20㎏ほど作れる大きな蒸気釜や、大量に蒸してから調味液で煮る方法などもありますが、これくらいの大きさの釜(約8㎏作ることができる)で作るのとでは、全く味が違うと思います。」

一度、鍋ごと水槽に入れて冷却。この間も少しずつかぼちゃに味がしみ込んでいる。

「ヤマザキには、“料理を科学する”という言葉があります。かぼちゃ煮は、人によって混ぜ方や熱の入れ方が異なると、味にばらつきがでてしまいます。以前、煮込んだときのかぼちゃの状態変化を科学的に調べたことがあります。すると、かぼちゃは煮ているときよりも、蒸らしているときのほうが温度が高くなっていたのです。さらに、その時にかぼちゃのでんぷんが糖化してより甘く、おいしくなっていることがわかりました。今まで、蒸らしているときにフタを開けて硬さを確認していたのですが、それをやめることでよりおいしいかぼちゃ煮を安定して作れるようになりました」

冷却後のかぼちゃ煮。冷却前と比べると照りつやが出て色も濃くなっている。

―それは調べてみないと分からないことでしたね。

「はい。このように、安定した品質のおいしいかぼちゃ煮を作ることを、感覚だけではなく科学の力も借りながら取り組んでいます。毎週、我々工場の者と、開発、営業の担当者とで“かぼちゃ煮良品製造会議”というものを開いています。この会議で、かぼちゃ煮をどうやったらもっとおいしく、安定した品質で作ることができるのかを議論しています。今日より明日おいしくすることを、会社全体で目指しています」

ほっくりとしてやさしい出汁の風味のかぼちゃ煮

最後に

かぼちゃ煮の製造を担当する杉山さん

―杉山さんは、これから先どんなかぼちゃ煮を作っていきたいと思っていますか?

「ヤマザキは、家庭料理の味を大事にしています。でも、家庭というものは時代によって変わっていくものだと思います。そんな変わっていく家庭にも寄り添っていける商品を、これからも作っていきたいなと思っています」

―このかぼちゃ煮は、食べるとほっとするようなおいしさがありますよね。

いつの時代でも、そんな身近なお惣菜として、これからもおいしいかぼちゃ煮を作ってください!

商品名:じっくり炊いたほっくり南瓜煮
加工場名称:株式会社ヤマザキ川尻第一工場
加工場住所:静岡県榛原郡吉田町川尻556-1
主品目名:かぼちゃ