玄米の生産者の大野さん

イトーヨーカドーのお弁当で使われている、寝かせ玄米。聞いたことがある方も多いかもしれません。この記事では、寝かせ玄米とは何か?どんな人が携わっているのかをご紹介します。

話を聞いた人

玄米の生産者 大野さん

茨城県稲敷市で特別栽培米(※1)や有機栽培米(※2)を育てています。

寝かせ玄米と出会って食への意識が変わった

―どういった経緯で、寝かせ玄米に大野さんのお米が使われるようになったのですか?

「震災のときにね、茨城県のお米は風評被害で全然売れなくなってしまったんですよ。どうにかしないといけない、と思ってお米を買ってくれそうなところに片っ端から電話をかけたんですね。誰でもいいから、買ってくれたらありがたい、そんな想いだったんです。そんなときに出会ったのが、寝かせ玄米を作っている、株式会社結わえるでした。試食をしてもらって、おいしい!と評価をもらって、当時あまり量は多くなかったのですが、継続的に使ってもらえることになりました」

茨城県稲敷市にある大野さんの田んぼ。有機栽培だが雑草がほとんど生えていない。

―寝かせ玄米と出会って、なにか変わりましたか?

「農家の人ってだいたいそうだと思うんですが、私もご多分に漏れず白米を食べる生活をしていました。当時、私は82kgくらいあったんですけど、株式会社結わえるの社長と出会いこれを機にダイエットをしてみよう!と思って玄米を食べ始めたんですよ。そうしたらね、今70kgになりました。玄米を食べはじめてから、自分の中で食をコントロールすることがうまくできるようになったと思います。玄米への意識が変わりましたね」

お米を育てる試行錯誤も面白い。

―お米を育てる上で大事にしていることはありますか?

「私たちの田んぼでは、特別栽培米(※1)や有機栽培米(※2)を育てています。もともと、田畑輪換といって田んぼを3年おきに畑作にする栽培方法をしていたんです。畑にしたあとの農地で田んぼを作ると、雑草が生えないんですよ。そのあとは手入れしないと生えちゃうんですけど。そこから、ある日、農薬を使っていないのにまったく雑草の生えない田んぼを見つけて、どうやればそんな田んぼが作れるのかを試行錯誤するようになりました」

田植えしたての稲。これからすくすくと成長する。

「農薬はたくさん使えば便利ですが、頼りきるとそれなしでは作れなくなってしまいます。そうじゃなくて、自分なりの方法で雑草を防いだり、収量(収穫する量)を増やせるよう工夫したりするのは、大変ですけど、面白いですよね。今も、毎年いろいろと試しながら米作りをしています」

大切に育てたお米を使う寝かせ玄米ファクトリー

そんな大野さんが育てたお米は、近くの工場に運ばれ、寝かせ玄米として生まれ変わります。

炊飯前の玄米

寝かせ玄米ファクトリーでは、寝かせ玄米を炊いてパックご飯にしています。

パックご飯の製造方法は大きく分けて2種類あり、トレーにお米と水を入れて封をして炊くものと、釜で炊いたご飯をパックに詰めるものがあります。寝かせ玄米は、後者の釜で炊く方法で製造されています。

炊きあがった寝かせ玄米®。良い香りが立ち込める。

トレーで炊くよりも、釜で炊いたもののほうが風味が良いのが特徴。釜で炊く方が、手間がかかってしまうのですが、玄米の香ばしい香りをいかすためには必要な製法なのだそうです。

そうして丁寧に作られた寝かせ玄米は、レトルト殺菌をされてから、イトーヨーカドーのお店に届けられ、ようやくお弁当として並びます。

最後に

製法だけではなく、使っているお米にもこだわっている寝かせ玄米。聞いたことがあっても、食べたことがない人が多いかもしれません。イトーヨーカドーでは、自分で炊かなくてもお弁当として販売しているので、気になる人はぜひ手に取って、まずはひとくち食べてみてください。もちもちとした食感とおいしさがクセになってしまう方も多いはずですよ。

 

※「寝かせ玄米®」は株式会社結わえるの登録商標です。

※1 特別栽培米とは、農林水産省が策定した「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って栽培されたお米のことです。特別栽培米の基準は、そのお米が生産された地域の慣行レベル(各地域で慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が5割以下、化学肥料の窒素成分量が5割以下で栽培されていることです。

※2 有機栽培米とは、農林水産省が策定した日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づく、有機JAS規格に沿って栽培されたお米のことです。化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことを基本として、環境への負荷をできる限り低減し、自然界の力で生産されています。

 

商品名:大豆ミートバーグとチキンの寝かせ玄米ご飯弁当
加工場名:寝かせ玄米ファクトリー
産地:〒300-1424 茨城県稲敷市下太田4663−16
生産者:大野満雄さんグループ
主品目名:玄米