かぼちゃ煮 第2話 

調味料が沸騰する釜。この時点でだしのよい香りが調理場に広がる。

かぼちゃ煮の作り方

―かぼちゃ煮はどうやって作るのですか?

「ヤマザキで作るかぼちゃ煮は、家庭の味を目指しています。だから、家庭で作るのと同じように、だしを取るところから始めます。だしをじっくりと煮だして、しょうゆやみりんを加えて調味液を作ります。その調味液を、釜に入れて煮立てます」

ーこれで、かぼちゃを煮るのですね。

「かぼちゃは生のものを自社で調達して使っています。そろそろ釜が沸いてきましたね。調味料を煮立てたら、カットしたかぼちゃを入れて、煮込みます」

かぼちゃを混ぜる川上さん。同時に6~8つの釜でかぼちゃ煮を調理するため、てきぱきと作業を行っていく。手を止める暇はない。使っている釜は、一般的な惣菜工場としては小さいサイズ。

―たくさんある釜を一人で使って調理するのですね。大変そうですが、どうしてこんなにたくさんの釜を使うのですか?

「このかぼちゃ煮は、家庭で作るときとできるだけ同じように作っています。一度に20㎏ほど作れる大きな蒸気釜や、大量に蒸してから調味液で煮る方法などもありますが、これくらいの大きさの釜(約8㎏作ることができる)で作るのとでは、やっぱり味が違いますね。だから、手間がかかるし、効率も悪いけれど今の作り方で煮続けています」

―家庭の味を再現するためなのですね。そのかぼちゃ煮を作るときのコツなどはありますか?

「そうですね、ただマニュアル通りに、同じ調味料で同じ時間をかけて作っても、同じ味にはなりません。それがこの大きさの釜で煮ることの難しさです。その日のかぼちゃの状態を見て、煮る時間や蒸す時間を微調整しています」

―誰でも作れるわけではないのですね。ちなみに今作っているかぼちゃ煮はどうでしょうか。

「今日のは、かぼちゃを入れた後に沸騰するのが少し遅かったんですよね。多分、調理をしだしてすぐだから、まだガスコンロが温まっていないせいかな。なので、蒸らし時間を多めにしようと思います」

かぼちゃの柔らかさを確認する川上さん。 柔らかすぎても、硬すぎてもいけない絶妙なタイミングを見計らう。

「加熱が終わったら、蒸らします。この時間が長すぎると柔らかくなりすぎてしまいます」

―蒸らし時間の見極めも、大切なのですね。

「そうです。もう大丈夫そうですね。蒸らしが終わったら、冷却します。冷やすことで、味がよりしみ込んで冷やす前とはまた違った味になりますよ。家庭でもそうですよね。一度作って、置いておく」

―確かに。かぼちゃ煮はあまりあつあつで食べるイメージはないですね。

冷却後のかぼちゃ煮。冷却前と比べると照りつやが出て色も濃くなっている。

「これで完成です。最後に問題がないか、一釜ずつ確認してから、容器に入れて出荷します」

―手間暇かけて、大事に作られているからこそ出せる、家庭の味なのですね。

商品名:じっくり炊いたほっくり南瓜煮
加工場名称:株式会社ヤマザキ川尻第一工場
加工場住所:静岡県榛原郡吉田町川尻556-1
主品目名:かぼちゃ