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見事な手さばきでむかれていくかき。

殻剥きはスピード命の早業!

水揚げされたかきは、生きたまま浄化槽へ入れられ22時間かけて浄化処理をされてから、剥き作業に移ります。

剥きの作業はスピードが命。手早くナイフでかきの殻を開け、殻から剥がし、大きさを見て選別します。1つのかきを10秒足らずで剥いてしまう行場さん。その手つきは早いながらも、身を傷つけないように繊細な動き。取材の間もどんどんと剥かれていくかきは、あっという間にバケツいっぱいになりました。こうして剥かれたかきは、別の施設で容器に入れられて、出荷されます。

かきは、このように様々な工程を経て生産者の元を離れていき、ようやく店頭に並ぶのです。

ロープに吊られ、海中にたゆたうかき。

志津川湾はかきにとって最高の環境

志津川湾は、ノロウイルスや貝毒などがあまり発生しない、恵まれた海です。それは、山の水が町の境界を流れる川を通って、志津川湾に流れ込んできているから。

川は町を流れていないので、菌やウイルスを含んだ生活排水などで汚れることがなく、山の栄養分が湾にそのまま流れ込んでいます。さらに、かきは浄化作用があるので、より海をきれいにすることができるのです。

行場さんは自信のある表情で「かきにとっては最高の湾」と、話してくれました。そんな安全な海で育ったかきだから、生食用のかきとして安心して食べることができるのです。

海は、大事に使えば無限大

田束山から見た志津川湾。

志津川湾には青年組織が活発で、さまざまな活動をしています。海にとって大事なことを考え、ヒラメの放流、鮭やあわびの中間育成などの活動を行っています。その一環として、植樹(山に木を植えること)を行ったこともあり、志津川湾から見える田束山には、植樹した一帯に看板が立てられていました。海に流れる栄養分は、こうした取り組みで守られています。養殖業をしている人々が、力を合わせて海を良くしてきた経緯が、志津川湾には受け継がれているのでした。

商品名:顔が見えるお魚。かき
産地:宮城県本吉郡南三陸町
生産者:行場博文